冨貴書房について
今は冨貴書房で『曆のススメ』シリーズなどの本を制作をして、3rings(スリーリングス)で販売する、という連結に比重を大きく置いてやっています。
冨貴書房は個人事業なんですけど、3ringsはコミュニティ事業。個人事業からコミュニティ作りへ連動させる形でやっている。
冨貴書房のはじまりは、
『わたしにつながるいのちのために』
というブックレットなんです。
このブックレットは、共有のために書いたもの。
自分たちがどんな状況に置かれていて、どんなことが起きていて、今どういうような、状況なのかっていうこと。
僕がいろいろな本を読んで知ったことを共有したいと思ったときに、僕が読んだ本をそのまま友達にすすめても、「なんか難しい、わかんねえ、字が小さい、表紙が怖い」とか、そんな反応が返ってきたことがあったんです。
なので、ブックレットにまとめたわけです。
というのも、社会で起きているなにかに関わっていこうと思ったときに、大事だと思ったのは、まずやっぱり共有する、知るっていうことが、議論の手前。
知った上で、原発に関して特に思ったのは、議論できる人はすればいいし、政治活動とかね、いろいろ、できる人はすればいい、ということ。
そうしたら、このブックレットが最終的にたぶん、6、7年で1万1千部とか、多くの方の手に渡ることになったんです。
ローカリズムとかコミュニティ、村を大事にする、自分たちの物理的なつながりを大切にする。
また同時に、意識や価値観を共有する人たちでつながる意識のコミュニティみたいなものも大事にしていく。
そのときに、「紙」に記したブックレットを作るっていうのは、意味を成すものだなって思ったんですよね。
コミュニティ内の回覧板みたいなものです。
本を出してから、それがハブになって、僕はいろんな場所にイベントや講演、ワークショップなどに呼ばれるようにもなった。
やっぱり本、紙の印刷物が一つのハブになるし、回覧板的な情報共有の媒介物としてもパワフルってことを思いました。
今は、より踏み込んで、本を作って売り買いすることによって、人が動いたり、お金が動いたり、人のつながりが実体化したりすることで、ただの回覧板でなく、それ以上のコミュニティ作りになるんだなっていうのを実感している。
本作りというだけじゃなく、本を通じた事業みたいなものをみんなでしていくっていうことが、すごく街の自給自足の、暮らしの養生、暮らしを作るっていう上で、大事な気がしています。